「抗がん剤 延命効果を確認、義務に」を読む。
「抗がん剤 延命効果を確認、義務に」
厚労省 治験評価法改定へ
京都新聞 2005.11.2 夕刊
保険医療として、抗がん剤を使用したいと考えるとき、その抗がん剤が承認されていなければならない。
さて、この記事では、厚生労働省の治験評価法を10年ぶりに改定したということ。
がんは誰が罹っても不思議でないほどの、日本人死因第一位の病気であり、かつ、症状が出にくいため、実際に症状が出たときには手遅れとなることの多い病気だ。
さて、今回、抗がん剤の有効性や安全性を高めるために改定したとのことだが、なかなか、素直には受け取れない。
治験は三段階となり、
第一相試験-身体への安全性を調べる
第二相試験-腫瘍の縮小効果があるかどうか
これに加えて、今回の改定により
第三相試験-延命効果があるかどうか。
この三段階を経て、承認となる(ただし、第二相試験で著しい効果が得られた場合は、この時点で承認、その後、第三相試験で承認の妥当性を検証するとのこと)。
このように改定された起因の一つに「イレッサの副作用死」の問題があったのは間違いないと考える。詳しくは、どちらかで調べていただければいいが、夢の抗 がん剤と発表されたイレッサが、がんの著しい縮小作用を見せたと同時に、多数の患者を副作用死に導いたという問題である。
全ての抗がん剤が副作用を起こす可能性がある、決して、イレッサの副作用死が、他の抗がん剤よりも多いわけではない、前評判が高すぎたためと、使用方法に問題があったため、マスコミ的に標的とされてしまったわけだ。
さて、この「延命効果」、つまりはこの抗がん剤を使用することで、1年の生存が1年2ヶ月になっただとか、そういう、延命が証明されないと承認されないと云うことだ。
あまりにもがん患者や、その家族のことがわかっていない、そう考える。
上記のイレッサは、人によってはかなりの縮小効果があるが、その延命効果はあまりない。
ただ、それでもだ、特に末期のがん患者や家族は、例え一ヶ月でも一週間でも、延命には繋がらなくても、がんが縮小し、息が今までよりもしやすくなる、流動 物しか食べられなかったのが、ほんのちょっとのでも固形物を食べることが出きる、ほんのそんな、ちょっとしたことでも、ほっとするのだ、ほんの少し、幸せ という気分を見いだせる。
そもそも、抗がん剤、化学療法の専門家がひたすら少ないこの国で、また、クロノテラピー等、副作用を抑える治療があるに関わらず、病院や保険の都合で充分に為されていないこの国で、何が承認の妥当性だと言いたい。
抗がん剤、延命効果の確認義務付け 厚労省ガイドライン
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